ウェブサイトへの集客において、LP(ランディングページ)は コンバージョン(売上向上、問い合わせ数増加) に欠かせない重要な役割を担います。
しかし、LPにSEO対策が必要かどうか、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?
「LPはSEO対策をする意味がない」という意見も耳にするかもしれません。
この記事では、LPにSEO対策を行うべきケースと、SEO対策を行う際の注意点について、SEOコンサル会社が具体的な注意点を交えて詳しく解説していきます。
LPとは?
まず、LPとは何かについて簡単に説明します。
SEO用語としてのLP(ランディングページ)
SEOの文脈でのランディングページとは、検索エンジンからユーザーが最初に訪れるページのことを指します。
これは必ずしも特別に制作された専用ページである必要はありません。
例えば、「SEOコンサル 東京」というキーワードで検索した場合、ユーザーが最初にクリックして到達するページが、そのユーザーにとってのランディングページとなります。このため、サイトのトップページや、商品・サービスページ、ブログ記事なども、ランディングページとして機能することがあります。
SEOの観点では、検索意図との一致が重要で、ユーザーが求める情報をページ上で適切に提供する必要があります。
また、サイト内の回遊性を高め、コンバージョンにつながる導線設計も大切です。さらに、ページの表示速度やモバイル対応など、技術的な最適化も必要となります。
広告用語としてのLP(ランディングページ)
広告運用における「LP」は、主に広告からの誘導先として特別に制作される専用ページを指します。
このタイプのLPは、特定の商品やサービスに特化した内容構成で、ページ内でのコンバージョン(申し込み、資料請求など)の完結を目指します。また、通常のサイトナビゲーションを省略し、ユーザーの行動を限定的にコントロールすることが一般的です。
広告LPでは、明確な価値提案とベネフィットの提示が重要です。
また、信頼性を高めるための実績や testimonial(お客様の声)の掲載も効果的です。さらに、分かりやすいCTA(行動喚起)ボタンの配置や、フォームの最適化なども必要です。
これら2つのタイプのLPは、その目的や最適化の方向性が異なるため、SEO対策を行う際には、どちらのタイプのLPなのかを明確に意識する必要があります。
LPの種類
LPには、大きく分けて以下の2つの種類があります。
1ページ完結型LP
1つのページで完結するLPです。ユーザーを迷わせることなく、コンバージョンに導くことができます。
LPと一般的に想像されるのは、こちらの1ページ完結型LPです。
サイト型LP
複数のページで構成されるLPです。
1ページ完結型LPよりも情報量が多く、SEOに有利です。ページ遷移が発生するため、ユーザーが離脱してしまう可能性があります。
LPの種類によって、SEO対策の方法も異なります。
LPにSEO対策が意味ないと言われる理由
一般的に、LPへのSEO対策が効果的でないと言われるケースがあります。
しかし、これは必ずしも正しい認識とは限りません。各課題に対する適切な対策を講じることで、LPでもSEO効果を得ることは可能です。
「SEOに「強いテキスト」と「売れるテキスト」は違う
SEO対策を重視しすぎると、しばしばコンバージョン率との両立が難しくなります。SEOに最適化されたテキストは、必ずしも購買意欲を高めるテキストとはならないからです。
例えば、SEO重視の文章では、キーワードの自然な配置や情報の網羅性を重視するため、文章が長くなりがちです。
一方、コンバージョンを重視する場合は、簡潔で説得力のある文章が求められます。
しかし、DMB株式会社では、SEOとコンバージョンの両立は可能だと考えています。ユーザーの検索意図を適切に理解し、その段階に合わせたコンテンツを提供することで、両者のバランスを取ることができます。
コストと見合わない
LPのSEO対策には、一定の投資が必要です。
技術的な最適化、コンテンツの制作、継続的な改善など、様々なコストが発生します。特に、広告運用が主目的のLPの場合、これらの投資対効果を疑問視する声もあります。
ただし、適切な戦略のもとでは、SEO対策は長期的な集客手段として機能します。広告費用の削減や、オーガニック流入の増加による安定的な集客を実現できる可能性があります。
SEOの専門家がおらず、適切に判断できていない
多くの企業では、LPの制作を広告代理店や制作会社に依頼しますが、これらの会社にSEOの専門家が不在であることも少なくありません。その結果、適切なSEO対策が実施されず、「SEO対策は効果がない」という誤った結論に至ることがあります。
SEO対策を成功させるためには、以下の要素が重要です:
- 適切なキーワード戦略の立案
- 検索意図に基づいたコンテンツ設計
- 技術的な最適化の実施
- 定期的な効果測定と改善
これらを適切に実施できる専門家の存在は、LPのSEO対策の成否を大きく左右します。
LPにSEO対策をするメリット
SEO流入を見込むことができる
適切なSEO対策を実施することで、広告以外からの自然検索流入を獲得できる可能性が高まり、以下のような効果が期待できます。
広告費用に依存しない安定的な集客が実現できます。特に、検索ボリュームの大きいキーワードで上位表示を獲得できれば、継続的なトラフィックを見込むことができます。
また、検索意図に合致したユーザーの流入により、高いコンバージョン率も期待できます。自然検索からの訪問者は、能動的に情報を求めているため、商品やサービスへの関心が高い傾向にあります。
広告品質スコアが上がるケースがある
GoogleやMicrosoft(Bing)広告では、ランディングページの品質がスコアリングの対象となります。
SEO対策による以下の改善は、広告の品質スコア向上にも貢献します。
コンテンツの充実度や適切なキーワード配置は、広告との関連性を高めます。また、ページの構造化や適切なメタデータの設定により、広告プラットフォームからの評価が向上する可能性があります。
結果として、広告費用の効率化や表示順位の改善につながることがあり、特に競争の激しい市場では、品質スコアの向上が広告運用の成否を分ける重要な要素となります。
ページスピードの改善により、購入率が上がる
SEO対策の一環として実施されるページスピードの改善は、ユーザー体験の向上に直結します。具体的には以下のような効果が期待できます。
読み込み時間の短縮により、離脱率の低下とコンバージョン率の向上が見込めます。特にモバイルユーザーにとって、ページスピードは重要な要素となります。
また、Core Web Vitalsなどの技術指標の改善は、SEOと広告の両面でポジティブな影響をもたらします。ユーザー体験の向上は、長期的なブランド価値の向上にも貢献します。
LPにSEO対策をするデメリット
LPにSEO対策をすることには、以下のようなデメリットもあります。
必要な予算や時間が増える
SEO対策には一定の投資が必要となり、具体的には以下のようなコストが発生します。
- 技術的な最適化のための開発費用
- コンテンツ制作のための執筆費用
- 定期的な効果測定やコンテンツの更新
さらに、SEO効果が表れるまでには一定の時間が必要です。即効性を求める場合は、広告運用との適切な組み合わせを検討する必要があります。
投資してもSEOでの流入が取れるかは分からない
SEO対策は、必ずしも期待通りの結果を保証するものではありません。以下のようなリスクを考慮する必要があります。
- 検索エンジンのアルゴリズム変更
- 競合の動向による順位変動
- 検索ボリュームの少ないキーワードでは、上位表示を獲得しても十分な流入が得られない
- 市場環境の変化による、検索需要の減少
このため、定期的な効果検証と戦略の見直しが必要となります。
LPを公開する際に最低限は行いたいSEO対策
ランディングページ(LP)を公開する前に、最低限必要なSEO対策について解説します。
これらの基本的な対策を実施することで、検索エンジンからの評価を高め、効果的な集客を実現できます。
noindexをかけるか否か
noindexの設定は、LPの目的と戦略に応じて慎重に判断する必要があります。この設定により検索エンジンからのインデックスを制御することができます。
通常、広告専用のLPで類似のページが多数存在する場合は、noindexを付与することが推奨されます。これにより、既存のサービスページとのカニバリゼーションを防ぎ、メインコンテンツへの影響を抑えることができます。
一方、SEO流入も狙う場合は、noindexを設定せず、以下の点に注意して展開します。
- 既存ページとの差別化を図る
- 十分なコンテンツボリュームを確保する
- 適切な内部リンク構造を設計する
- canonicalタグで正しいURLを指定する
noindexを設定しない場合は、検索結果での表示を最適化するため、コンテンツの質と量の両面で十分な対策が必要です。
meta情報は記載されているか
meta情報は検索結果に表示される重要な要素であり、以下の項目を必ず設定します。
title属性は検索結果のクリック率に直結する重要な要素です。30文字程度で簡潔に内容を表現し、主要なキーワードを自然な形で含めます。商品名やサービス名、企業名などを適切に組み合わせることで、ユーザーの興味を引く魅力的なタイトルを作成します。
その他のmeta情報として、viewport設定やOGP設定なども忘れずに実装します。スマートフォン対応やSNSでのシェアを考慮した適切な設定が必要です。特にOGPは、SNSでシェアされた際の表示を最適化する重要な要素となります。
ページ全体が画像で作られていないか
画像のみで構成されたLPは、検索エンジンによるコンテンツの理解が困難となります。以下の点に注意してページを構築します。
重要な情報はテキストで記載することが基本です。特に以下の要素はテキストでの実装を推奨します。
- 商品・サービス名
- 主要な特徴や説明文
- 問い合わせ先情報
- 料金プラン
- 会社概要
- 利用規約やプライバシーポリシー
デザイン要素として画像を使用する場合も、適切なalt属性を設定し、画像の内容を検索エンジンに伝えることが重要です。また、画像内のテキストは可能な限りHTML化し、検索エンジンが認識できる形式で提供することを推奨します。
ページの表示スピードは早いか
表示速度の改善は、ユーザー体験とSEOの両面で重要です。
特に画像の最適化は最も基本的な改善点です。
適切なサイズと圧縮率で画像を用意し、表示速度の向上を図ります。また、LazyLoadを実装することで、初期読み込み時間を短縮できます。WebPなどの最新フォーマットの採用も検討に値します。
JavaScriptやCSSの最適化も重要です。不要なコードの削除や、ファイルの圧縮、読み込み順序の最適化などを実施します。
特に、レンダリングブロッキングリソースの最適化は、初期表示速度の改善に大きく寄与します。
キャッシュの活用も効果的です。ブラウザキャッシュを適切に設定することで、2回目以降のアクセス時の表示速度を大幅に改善できます。また、CDNの利用も、グローバルな表示速度の向上に効果的です。
カニバリを起こしていないか
カニバリゼーション(共食い)は、同一サイト内の複数のページが同じキーワードで競合する状態を指します。これを防ぐために、以下の対策が必要です。
既存ページとの内容の重複を避けるため、以下の点をチェックします。
- 既存のサービスページとの差別化
- ターゲットキーワードの棲み分け
- コンテンツの独自性確保
- URL構造の適切な設計
また、カニバリ対策として、以下の技術的な施策も重要です。
- canonicalタグの適切な設定
- 内部リンク構造の最適化
- サイトマップの適切な管理
- メタデータの差別化
弊社の行うLPへのSEO対策一覧
ランディングページ(LP)のSEO対策では、技術面から運用面まで、様々な要素の最適化が必要です。
DMB株式会社では、以下の項目を重点的にチェック・改善し、確実な成果につなげています。
Hタグ構造が正しく記載されているか
見出し構造は、ページの重要性を検索エンジンに伝える重要な要素です。
H1タグは1ページに1つのみ使用し、ページの主題を適切に表現している必要があります。
また、H2、H3タグは論理的な階層構造を意識して設置し、ユーザーにとってもクローラーにとっても理解しやすい構成となっているかチェックします。
見出し構造が適切でないと、検索エンジンがページの重要なポイントを正しく理解できません。また、ユーザビリティの観点からも、情報の整理と理解が困難になる可能性があります。
meta titleが正しく設定されているか
タイトルタグは検索結果に表示される最も重要な要素の一つであり、適切な設定により検索結果でのクリック率向上を図ります。
事業者名や地域名など、重要なキーワードを過不足なく含め、かつユーザーの興味を引く魅力的な表現となるよう最適化します。
また、文字数制限を考慮し、検索結果で途切れないよう適切な長さに調整します。
ページの表示速度に問題がないか
ページ速度は、ユーザー体験とSEOの両面で非常に重要な要素です。Core Web Vitalsの各指標を満たすことで、検索エンジンからの評価向上が期待できます。
具体的な改善項目として、画像の最適化(サイズ調整、圧縮)、JavaScriptの最適化、CSS/JavaScriptの圧縮、ブラウザキャッシュの活用、サーバーレスポンスの改善を実施します。
スマホ向けのページとして問題がないか(MFI)
Mobile First Indexingへの対応は、現代のSEOでは必須となっています。
スマートフォンでの表示品質を重視し、テキストの可読性確保、タップ領域の適切な設定、画像のレスポンシブ対応、コンテンツのパリティ(PC版との一致)、ビューポートの適切な設定を確認・改善します。
ソースコード全体に問題がないか
適切に書かれたHTMLコードは、検索エンジンのクローラビリティを向上させます。
HTML構造の適切な実装、不要なコードの削除、構造化データの設定、canonicalタグの適切な設定、robots.txtの設定確認を重点的にチェックします。
ALT属性等、画像へのSEOに問題がないか
画像のALT属性は、検索エンジンとアクセシビリティの両面で重要な役割を果たします。
適切な代替テキストの設定、画像ファイル名の最適化、画像サイズの最適化、画像の圧縮、LazyLoadの適切な実装を行います。
サイトから内部リンクが繋がっているか
適切な内部リンク構造は、サイト全体のSEOパワーを効率的に分配するために重要です。(別名 リンクジュース)
メインナビゲーションからのリンク設定、関連コンテンツへの適切なリンク、パンくずリストの実装、フッターリンクの最適化、アンカーテキストの適切な設定を確認します。
フォームのコンバージョン計測は動作しているか
適切なコンバージョン計測により、SEO施策の効果を正確に把握します。
Googleアナリティクスの適切な設定、コンバージョントラッキングの実装、目標値の設定、イベント計測の設定、フォーム完了ページの適切な設定を行います。
LPのSEO対策:具体的な施策
LPでSEO対策を行う際の具体的な施策を紹介します。
キーワード選定
LPで狙いたいキーワードを明確化します。ユーザーが検索する可能性の高いキーワードを選び、LPのコンテンツに自然に組み込みましょう。
Googleはmeta情報もSEO順位や広告品質スコアの評価対象である可能性が非常に高いからです。
コンテンツSEO
ユーザーにとって有益な情報を提供することで、検索エンジンの評価を高めます。キーワードを適切に含めた、質の高いコンテンツを作成しましょう。
ユーザーが知りたい情報をページ上部に掲載する、見出しを効果的に使うことでGoogleにもユーザーにも、コンテンツの価値を伝えることができます。
テクニカルSEO
ページの表示速度やモバイルフレンドリーなど、技術的な側面からSEO対策を行います。
Googleの検索エンジンのガイドラインに沿って、ウェブサイトを構築しましょう!
UI/UX改善
ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)を改善することで、ユーザーの離脱率を減らし、コンバージョン率を高めます。
見やすいデザイン、分かりやすい導線、ストレスのない操作性などを意識しましょう。
カニバリ対策
カニバリゼーションとは、同じウェブサイト内の複数のページが、同じキーワードで上位表示を競い合い、互いに順位を下げてしまう現象のことです。
LPを複数作成する場合は、カニバリゼーションに注意する必要があります。
カニバリゼーションを防ぐためには、以下のような対策が有効です。
ターゲットキーワードを明確にする
各LPで狙うキーワードを明確に分けましょう。
コンテンツの内容を差別化する
各LPで異なる内容のコンテンツを提供しましょう。
内部リンクを適切に設定する
各LP間の関係性を明確にするために、内部リンクを適切に設定しましょう。
canonicalタグを設定する
複数のLPで同じ内容を扱っている場合は、canonicalタグを設定することで、検索エンジンにどのページを優先的にインデックスさせるかを指示することができます。
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DMB株式会社は、SEOコンサルティング、SEO記事制作、HPのSEO監修など、SEOに関するサービスを幅広く提供しています。
業界歴5年以上のSEOコンサルタントのみをアサインし、お客様のウェブサイトのSEO対策をサポートいたします。
担当するコンサルタントは、提案時からプロジェクトに参加し、お客様と密にコミュニケーションを取りながら、最適なSEO対策を提案いたします。
大規模DB型サイトから町の歯医者さんまで、幅広い規模・業種のウェブサイトに対応可能です。
LPのSEO対策でお困りの際は、お気軽にDMB株式会社にご相談ください。